題名をつけるかもしれない随想

店主ふたりのシーソーエッセイ
ぎっこんばったん
もうひとりが地面を蹴ったら次の文章に入れ替わります


少し前からメニューに加わったナンプラーチャーハン。これは15年ほど暮らした京都でよく行っていたカフェで出会ったものが、実はお手本になっている。今年の関西帰省の折に久々にそのお店に顔を出し、チャーハンも頂いてきた。舌って覚えているものだなあ。と、再会のノスタルジーの勢いそのまま、自分なりに再現を試みたものが交点のナンプラーチャーハン(通し方は「ナンチャー」)。


「勢い」と言ったけれど、実は再現のベースは京都時代にあった。自炊を楽しむ派だった当時、外で出会った美味しいものはよく自宅で再現を試みていた。お気に入りのナンプラーチャーハンも御多分にもれずの一品だった。

ただ、自炊エンジョイ派とはいえナンプラーなんてものは、まあ、持っておらず。たぶんスーパーや輸入食材がある店をいくつかはしごして買ったんじゃなかろうかと、そんな気がする。今は秋田のジェイ◯でも見つけられるけど、京の都といえど20年以上前という注釈をここに添える。(探し方が上手くなかっただけかもしれないという注釈も添える。)


そんなふうにはじめて手にしたナンプラー。ひとしきりチャーハン作りに勤しんだ後、活躍の機会はぐぐんと減った。そのうち「触らぬ神」となった開封済みのナンプラー(同じような触らぬ神に甜麺醤もおわした)。そう、いたましい期限切れは、せめて神として祀って鎮めよう(口にすればお腹が祟られるかもしれない……)。そんな神様のおかげで、交点でもナンチャーを出すことができるのかもしれない。オーマイゴッド。



さしすせそではない調味料たちが冷蔵庫の片隅で果てる

2026.9.7. up
Text : Igarashi Seiryu-